一般図書:社会福祉/ 地域包括ケアシステム ―その考え方と課題― 〈地域ケアシステム・シリーズ①〉
地域包括ケアシステム ―その考え方と課題― 〈地域ケアシステム・シリーズ①〉
著者名 | 太田貞司 編集代表/太田貞司・森本佳樹 編著/前沢政次・杉崎千洋・岸川洋治・大湾明美・朝倉美江・國光登志子・高室成幸・大口達也・長倉真寿美 共著 |
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ISBN | 978-4-332-70151-4 |
判型 | A5判 |
定価 (税10%込) |
2,640円 |
頁数 | 226頁 |
目次 | 第1章 地域社会を支える「地域包括ケアシステム」 第2章 地域福祉と「地域包括ケア」 第3章 病院機能分化と「地域包括ケア」 第4章 多様な地域社会と「地域包括ケア」 第5章 「地域包括ケア」における住民主体 第6章 ケアマネジメントと「地域包括ケア」 第7章 市区町村と「地域包括ケア」 |
社会保障審議会介護保険部会「介護保険制度の見直しに関する意見」(2010年11月)では,2012年の介護保険制度の見直しに向けた基本的考え方のひとつを「医療,介護,予防,住まい,生活支援サービスを切れ目なく,有機的かつ一体的に提供」する「地域包括ケアシステムの実現」としている。この実現には,医療と介護・福祉の連携,またインフォーマルとフォーマルの資源の組み合わせが課題となる。「措置制度」の下での1990年代の「地域ケアシステム」の段階から,2000年の介護保険制度創設以後の市場化されたサービスの展開を踏まえ,2010年代における新たな「地域ケアシステム」の構築といってもよい。
しかし,「地域包括ケアシステムの実現」の課題は,今後の日本の高齢者ケアの基本的問題を投げかけてもいる。そもそも「地域包括ケア」とは。また,その「地域包括ケア」を実現する「地域包括ケアシステム」とは。それをどう構築するのか。これまでの地域福祉とは異なるのか。なぜ新たな用語を用いる必要があるのか。様々な課題が改めて問われることになろう。
「地域包括ケア」では介護保険制度そのものの持続性と財政問題を背景に,インフォーマル及びフォーマルの資源を「自助」「互助」「共助」「公助」として捉え直し,地域社会のあらたな役割が強調されている。これは介護サービスの見直しでもあるが,「地域包括ケアシステム」の構築を図るという場合,生活基盤としての地域社会をどう捉えるのか,さらに画一的には捉えられないとしたら,その多様性をどう捉えるのかが問われている。
また,「地域包括ケアシステムの実現」は,医療制度改革による「地域ケア体制整備」と地域社会におけるケア体制の構築という意味で,コインの裏表の関係にある。医療から見た課題は何か。
さらに,「地域包括ケアシステム」の構築による新たな支援の仕組みづくりは,これまでの介護支援専門員によるケアマネジメントの在り方,加えてその人材育成の在り方も同時に問い直されるだろう。そしてさらには,「地域包括ケアシステム」構築の基盤整備を促進させる上での国や自治体が果たすべき役割も改めて問い直されるだろう。(「まえがき」より)
(2011年2月発行)
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