方言と中国文化 第2版 ★2016年「上海翻?出版促???」入選!
本書は《方言与中国文化(第2版)》(上海人民出版社,2006年)の全訳である。著者は方言研究と中国文化史研究とを結び付けることにより,方言の形成・発展の文化的背景を探るとともに,方言を鍵として文化史上のいくつかの課題を解明しようとしている。すなわち,著者の唱える「文化言語学」の試みである。原著は台湾で繁体字版が出されたほか,韓国語に翻訳されるなど,国際的にも注目されており,学界から高い評価を得ている。中国の方言や文化に関心を持つ学習者にとって最適な読み物であるのみならず,大学における中国語方言・中国文化関連の講義のテキストとしても推薦できるものである。
著者名 | 周振鶴・游汝傑 著 内田慶市・沈国威 監訳 岩本真理・大石敏之・瀬戸口律子・竹内誠・原瀬隆司 訳 |
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ISBN | 978-4-332-83011-5 |
定価 (税10%込) |
3,300円 |
香坂順一先生追悼記念論文集
中国語音韻論 ― その歴史的研究 ―
[品切]
本書は,まず現代中国の方言についての簡単な音韻論的解釈を試みたうえ,とくに「韻鏡」と日本漢字音とを有力な支柱として,中古漢語を再講することに最も力を注ぎ,それに関連して上古漢語の輪郭をも説明している。また,各節に最小限の参考文献をあげて先人の業績の紹介としたほか,巻末に基本語彙・形態素に対する時代別の音韻標記を施し参考とした。本書は,再版が渇望されて久しい名著「中国語音韻論」を,今回新たに改版したもので,誤植の訂正,資料その他を全面的に検討して補訂した,中国語音韻論への手引きである。
著者名 | 藤堂明保 著 |
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ISBN | 978-4-332-83001-6 |
定価 (税10%込) |
7,480円 |
白話語彙の研究
≪水滸≫語彙の研究
≪水滸≫は中国近世語のさまざまな語彙をもっとも豊かにもっている作品である。宋代以降語りつがれた≪水滸≫物語りを集大成したこの作品には,それぞれの時代のことばを,あらわな姿で,あるいは漠とした姿で残しているものが多い。この意味において,この作品のことばは,早期白話に遡る,明代以降開花した白話文に至る中継的な役割を果す存在となっている。著者はこの作品の語彙・文法を調査研究することによって,早期白話を解明する手がかりとするため,また同時に明清時代から五・四時代,さらには現代中国語の白話の成立に歴史的に迫る基点とするため,長年にわたり,この仕事に力を傾けてきた。本書は白話文の特徴をなす虚詞を中心に論じており,中国語学研究者のみならず,国語学研究者にも,参考に値する示唆に富んださまざまな内容を含んでいる。
著者名 | 香坂順一 著 |
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ISBN | 978-4-332-83008-5 |
定価 (税10%込) |
13,200円 |
≪水滸≫語彙と現代語
中国語文学論文選
普通話対照 上海語・蘇州語-学習と研究-
文法のはなし ― 朱徳熙教授の文法問答 ―
現代中国語界きっての理論家,朱徳熙北京大教授が,中国語文法の基本的な問題である中国語文法の特徴,品詞,主語と目的語,連体修飾語・連用修飾語・補語と連動構造,中心語分析とIC分析,中国語の文法体系などの問題について,従来の文法観に批判を加えつつ,問答形式で平易にかつ刺激的に語ったものである。本書は,日本人読者のために具体的な事実を補うなどして原著のほぼ二倍になっている。中国語の文法をもっと知りたい,中国語文法の本質的な特徴を知りたい,あるいは中国語文法を研究したい人にとっては必読の書である。
著者名 | 朱徳熙 著 中川正之・木村英樹 編訳 |
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ISBN | 978-4-332-87018-0 |
定価 (税10%込) |
2,200円 |
歇後語のはなし ― 中国のことば遊び
中国語にはおもしろいことばがいろいろある。“孔夫子搬家”(孔子先生のお引っ越し)といったような,「解」にあたる部分を引き出すしゃれことば ― 歇後語などその最たるものだ。この後には“浄是書”(本ばかり,“書”は“輸”〔負ける〕と同音のため,負けばかり)が引き出される。ただ“浄是書”と言うよりも,頭に“孔夫子搬家”と示して“書”から“輸”を引き出したほうが,ユーモラスで気の利いた表現となる。本書では,こういう歇後語が文の中でどのような働きをするか,また中国語の中にどのように定着してきたか,その題材の範囲はどうか,などの点につき,180余冊の小説や通俗読物からの豊富で生き生きとした用例を挙げて,単なる歇後語解釈にとどまることなく具体的に解き明かしている。
著者名 | 温端政 著 相原茂・白井啓介 編訳 |
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ISBN | 978-4-332-87022-7 |
定価 (税10%込) |
2,530円 |
音韻のはなし ― 中国音韻学の基本知識 ―
諺語のはなし ― 中国のことわざ ―
新しい中国語・古い中国語
中国の少数民族と言語
[品切]
欧州と優に匹敵する広大な領土に55の民族で構成される中国,そこで使用されている言語は,少なくとも民族の数だけあることになろう。しかし,地理的・歴史的条件により,“漢語”(=中国語)だけとってみても,いくつかの方言が見られ,それらは表記上漢字を用いているから中国語と受け取れるが,音声面では一見あたかも外国語にすら似ている。本書は,中国という領土内で,それぞれの民族が,どのような言語を使っているのかを,最近の資料を用い,平易に解説したもので,中国の共通語普及政策をはじめ,少数民族言語政策を知るのにも役立つ。
著者名 | 岩佐昌暲 著 |
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ISBN | 978-4-332-87006-7 |
定価 (税10%込) |
2,420円 |